はじめに
温度計をサウナ内の高さの異なるところに設置すると、それぞれの温度計で表示する温度が異なります。
サウナを利用した経験があり、上の段の方が熱い事を知っている人ならば、これは経験的に容易に理解できるお話かもしれません。
でも異なるのは、温度だけではないのです。
サウナ内に温湿度計を複数設置してみるとわかります。
実は、温湿度計の設置する高さによって、温度だけでなく湿度も異なって表示されます。
「え?狭いサウナの中で湿度が違うなんて・・・」と思う方が多いのではないかと思います。
今回は、サウナにおける温度と湿度についてお話します。
湿度とは
湿度とは、空気中に含まれる水蒸気の量を表す尺度 です。
一般的に単に湿度というときは「相対湿度」のことを指し、温湿度計はおおよそ「相対湿度」を表示しています。
相対湿度とは
「相対湿度」とは何なのでしょうか。
まず、一般的に天気予報などで聞かれる湿度50%は相対湿度となります。相対湿度50%です。
空気中には気温ごとに水蒸気を含むことが出来る量の限界(飽和水蒸気量)が決まっていて、
相対湿度はある温度の限界までのうち何%を含んでいるかを示しています。
空気中に含むことが出来る水蒸気量(飽和水蒸気量)と温度の関係を表でみてみましょう。
サウナの上段になると、飽和水蒸気量、すなわち空気中に含むことができる水蒸気の量がかなり大きくなることがわかります。
相対湿度は以下のような式で求められます
相対湿度(%) = 水蒸気量 / 飽和水蒸気量 ✕ 100
サウナ室内では分数の分子に当たる数値が一定です。
温度が高い位置ほど、分母に当たる飽和水蒸気量が増えて相対湿度が下がっていきます。
逆に温度が低い位置は、分母に当たる飽和水蒸気量が減って相対湿度が上がっていきます。
これが温湿度計の設置する高さによって、湿度が異なって表示されるカラクリです。
不快指数について
さて、そこで高さによって温度と湿度が変わった場合に、それぞれの温湿度計から何が読み取れるのかと言えば、天気予報で耳にする不快指数です。
不快指数は数値で以下のように体感が分類されています。 | |
55以下 | 寒い |
55~60 | 肌寒い |
60~65 | 何も感じない |
65~70 | 快い |
70~75 | 暑くない |
75~80 | やや熱い |
80~85 | 暑くて汗が出る |
85以上 | 暑くてたまらない |
全ての人に共通しているとは限りませんが、80以上になると汗が出てきて暑いと感じるようです。
不快指数はととのい指数!
下図は温度と相対湿度を元に、不快指数の算出式を用いて不快指数の値を導き出した表となります。
わかりやすいように温度も高く汗をかきやすいサウナの最上段に近い不快指数を示す条件の部分を緑色にしてみました。
湿度によっては温度が低いところでも不快指数が高い事がわかります。
細かな体感実験をしていないのでこれが正しい!とは声を大にして言うことはできませんが・・・💦
おそらく90度から100度の辺りではロウリュを実施している施設でも相対湿度は20%~30%程度であると思われます。
汗をかきに行ってるサウナにおいては不快指数というよりも、ととのい指数という言葉が適切かもしれませんね。
温湿度計の数値と図2より、温湿度計が複数設置してあるサウナは自分にとって過ごしやすいポジションを見つけやすくなるということです。
ここが重要です。
不快指数が似た数値のポイントが同一のサウナの室内には幾つかあり、そのどの場所が自分に合っているかは人によって異なります。また、それは複数のサウナをまたがっても言える事で、どこの施設のサウナが自分に合っているのかがわかります。サウナ好きの皆さんにとって貴重な情報です。
感覚的な話に終わらせるのではなく、理論も取り入れながら、各々の好みを見つけて、よりサウナを楽しんでほしいと思っています。
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